オフィスで働く人たちが快適な日々を過ごせるように、設備のメンテナンスなどを行うのがビル管理の役割です。
設備の機能性が不十分な状態が続いてしまうと、入居者が減ることで収入が大幅に減る事態になりかねないので、ビルの衛生管理なども念入りに行う必要があります。

後藤悟志社長が教えるビル管理の仕事

清掃管理

入居者を減らさないためにも特に力を入れておきたいのが清掃管理で、床だけでなく壁や天井などに付着した汚れを落とすのも役割の一部です。
共有スペースにホコリが残り続けているだけで、新規の入居者を増やすのが難しくなる可能性もあるので、エントランスなどのスペースの掃除は丁寧に行うことを推奨します。
エレベーターやエスカレーターの掃除を怠っていると、機器の内部にゴミが詰まることで動作に異常が起きることになりかねません。
空間を清潔な状態に保つだけでなく、事故のリスクを減らすためにもビルの清掃管理に力を入れることが理想的です。

環境衛生管理

環境衛生管理もビルを清潔な状態に保つために必要な業務で、建物の中を流れている空気の管理などを行います。
空気環境が悪いと一酸化炭素や二酸化炭素の濃度が上がり続けて、健康的な被害が起きることもあるので気を付けてください。
ビルの内部のどこかで空気の流れが止まってしまい、排気が上手くいっていないか確かめるために検査は定期的に行います。
空調ダクトの掃除を行う際には、ダクト清掃作業監督者の資格を持つ人間に任せることになり、資格を持たなければ作業を行えない点には注意が必要です。
水道の質が悪いことで健康的な被害が起きないように、貯水槽と給水管の掃除も行わなければいけません。
貯水槽の内部にカビなどが生えていると、水道から嫌な臭いが発生して入居者からクレームが入ることもあるので、貯水槽や給水管の検査もスケジュールを決めて行うことが推奨されています。
ビルの内部に現れたネズミなどの害獣や、ゴキブリなどの駆除もビル管理の業務内容の一部で、入居者に駆除を任せてはいけません。
ネズミを放置していると電源ケーブルなどをかじって、火災が発生する恐れもあるので早期に駆除することが重要です。

設備管理

ビル内で使われている設備が正常に動いているか確かめるための設備管理も、ビル管理の業務の中では重要な部類に含まれます。
電気通信設備の管理をスムーズに行える体制が整っていないと、電気配線などが故障した際に何時間も停電した状態が続き、法的な問題が起きかねません。
空気調和設備のメンテナンス業務ではボイラーなどの点検と整備を行い、暖房や給湯などの機能性を保ちます。
消防用設備の管理は特に重要な業務の一つで、消火設備や警報機などが正常に動くか確かめて、問題があれば即座に整備するのが業務の目的です。

保安警備

施設の機能性を保つためではなく、ビルの安全を守るための保安警備もビル管理に含まれており、施設内を巡回することで異常が起きていないか確認します。
防犯カメラや電子ロックなどが正常に作動するか調べて、不審者が見つかった際には警察や警備会社と連携しなければいけません。
保安警備を担当する人間には警備員指導教育責任者や、機械警備業務管理者などの国家資格が求められます。
駐車場の管理も保安警備に含まれており、不審者が車両に近づかないように監視するのも役割の一つです。

まとめ

いくつもの業務が絡むビル管理は一つの企業で行えるものではなく、多くの企業と連携しながら行われます。
国家資格を所有する人材を自前で集めるのは大変なので、外部の管理会社を頼ってビルのメンテナンスを行っている建物が大半です。
建築基準法に合わせた定期報告も行う必要があり、防火設備や建築物の検査結果を報告する作業も義務化されています。

参考文献
後藤悟志

 

よくある質問

Q.ビル管理とは?

A.ビル管理とは、ビルや不動産の物理的な運用やインフラを監督・維持するプロセスのことを指します。
これには、物件の安全性、良好な状態、効率的な運用を確保することが含まれます。
ビル管理者は、設備、安全およびセキュリティシステムのメンテナンスを監督し、ビルのテナントまたは居住者が生活または労働条件に満足できるようにする責任を負っています。

Q.ビル管理者の責務とは?

A.ビル管理者の責任は、管理している不動産の種類と規模によって異なります。
しかし、一般的な責務としては、ビルのインフラのメンテナンスと修理の監督、清掃や管理サービスの管理とスケジュール管理、請負業者やベンダーとの調整、テナントや居住者からの苦情処理、ビルの財務管理、物件の規格とすべての関連規制への準拠の確認などがあります。

Q.ビル管理者になるにはどうしたらいいですか?

A.ビル管理の学歴と職業上の要件は、雇用者と管理対象の不動産によって異なる場合があります。
ビル管理職の中には、施設管理、経営管理、または関連分野の学士号が必要な場合もあります。
さらに、不動産管理、不動産、または建設などの関連分野での経験があると有利な場合があります。
認定ファシリティ・マネージャー(CFM)やファシリティ・マネジメント・プロフェッショナル(FMP)などの資格も有利に働く場合があります。

Q.ビル管理者が直面する一般的な課題にはどのようなものがありますか?

A.ビル管理者は、老朽化したインフラの維持、ニーズの異なる複数のテナントや入居者の管理、緊急事態への対応、メンテナンスニーズと予算のバランス、幅広い規制や規範の順守など、さまざまな課題に直面することがあります。
さらに、ビル管理者は、テナントの入れ替わり、長期契約の確保、新規テナントの誘致などに関する課題にも直面することがあります。
成功するビルマネジャーは、適応力があり、積極的で、優れたコミュニケーション能力と問題解決能力を備えていることが必要です。

最終更新日 2025年7月8日 by luizmon

投稿者 luizmon