「ピル」というと避妊のために使うものという印象がありますが、避妊以外の幅広い分野でも使われていることをご存知でしょうか。
ピルとは女性ホルモンの成分が含まれた薬品のことで、服用することにより排卵が抑制されるため避妊することが可能です。
コンドームよりも避妊効果が高いため確実に避妊したい女性におすすめですが、この排卵を抑制する効果を上手に応用することで、女性のQOL(生活の質)の向上を期待することができます。
ピルの種類
ピルにはいくつか種類があり、現在主流となっているのが「低用量ピル」と呼ばれるもので、その主成分は「卵胞ホルモン」と「黄体ホルモン」です。
服用することでこれらの女性ホルモンが体内に取り込まれると、脳では妊娠に必要なホルモンが既に分泌されたと勘違いして、卵巣からのホルモン分泌を抑制します。
そのため排卵が起こらず妊娠しないことになりますが、女性ホルモンの分泌が抑えられるため生理による出血量の調整や生理時のイライラの軽減、子宮内膜症の予防などの効果も期待することができます。
また、ニキビの原因も生理周期と考えられているため、ニキビ治療にも利用されることがあります。
ピルを購入する場合は医師の処方が必要
このようにピルはさまざまな副効果を期待できる薬ですが、実はピルは薬局やドラッグストアでは購入することができません。
ピルを購入する場合は医師の処方が必要となっているため、ピル外来を受診する必要があります。
なぜ処方箋が必要なのかと言うと女性ホルモンを調整することは体に大きな負担を与える場合があるからで、ピル外来では服用可能かどうかを医師が細かく検査します。
まず血圧や体重測定などを行いますが、安全に服用するために子宮がん・乳がん検診や採血などを行う場合もあります。
問題がないと判断された場合は、薬の種類や料金について説明があり、服用の方法や副作用について詳しい指導が行われます。
一般的には1シート28日分の処方を行い服用が始まりますが、全て服用したあとはもう一度ピル外来を再診しなければなりません。
まとめ
再診ではピルを服用してから起こった症状や副作用などをチェックし、血圧や体重測定を行い体の変化を確認します。
副作用があった場合は処方は中止されますが、問題ない場合は最大6シートまで処方することが可能となっています。
なお、血栓が出来やすい体質の人や、肝臓に重い障害を持っている人、35歳以上で1日にタバコを15本以上吸う人などには処方できないので注意が必要です。
最終更新日 2025年7月8日 by luizmon