高校生の時に友人に誘われて、深く考えずに演劇部に入会しました。
通っていた高校では部活に参加することを推奨していましたが、特に入りたい部活がなかったので誘われるまま入会することになりました。
ただ人前で演技をすることは絶対に無理だと考えていたので、演劇部に入会したものの裏方作業に徹しようと考えていました。
しかし演劇部はそれほど人気がない部活だったので、参加人数がかなり少なく、裏方作業をしながら舞台にも出なければならない状態でした。
演劇部の部長をつとめている先輩がかなり熱血な性格の持ち主で、文化祭にはかならず演劇を披露しなければならないと言い張ります。
先輩に逆らうことはできないので、結局は私も舞台に立つことになりました。
ただ入会したばかりなのでわからないことも多く、失敗するリスクも大きいので端役にしてもらうことにしました。
最初は面倒くさいという思いが強かったのですが、練習しているうちに役にのめりこんでいくようになり、楽しさを感じるようになりました。
ただ演劇発表が間近に迫ったときは緊張がピークに達して、手のひらに汗をびっしょりかいてしまいました。
先輩や仲間たちの励ましにより、舞台の上では失敗することなく演技を披露することができました。
舞台に出る直前までは緊張感に押しつぶされそうだったのに、舞台に出てしまうと自分が発する声が後ろまで届くような爽快感を感じるようになりました。
演劇が終わった後も、またこの爽快感を味わいたいという気持ちになり、気づけば演劇の虜になっていました。
その後、先輩が高校を卒業したら、私が演劇部の部長に就任し、大学進学をするときも演劇部がある大学を選びました。
大学でも入学式のその日に演劇サークルに入会して、すぐに練習に参加するようになりました。
大学の演劇サークルは高校とは比べ物にならないくらい本格的で、メンバーの中にはテレビや映画に出ている学生もいたので驚きました。
舞台の臨場感を出すために、大道具を作るときには外部に発注することもありますし、背景に流す音楽は音楽大学の学生に協力を仰ぐこともあります。
少しの音の違いによって、舞台の上で繰り広げられる情景が異なって見えるので、音楽大学の学生にとってもやりがいがあるようで、演劇サークルに所属している学生もいます。
将来は舞台芸術に進みたいと考えている学生が想像上に多く、みんなが夢とプライドを持って1つの舞台を作り上げているのを見ると良い刺激を受けることができます。
最終更新日 2025年7月8日 by luizmon