割と交通の便が良い場所に住んでいることもあり、タクシーを日常的に使っているわけでは無いのですが、たまに乗ると面白いことが結構あります。
心優しい神戸のタクシー運転手
20代前半の頃会社の研修で神戸に行った時、夕方一通り一日目の研修内容が終わり、食事の後少し時間があったのでカラオケに出かけました。
帰りはもう公共交通機関が使えなくなってしまったのでタクシーで帰ることにしました。
地方から出てきて今日明日で研修を終えて帰ってしまうことをドライバーさんに話したところ、帰る道中メーターを一旦止めてくれてなんと、少し案内してあげると車を走らせてくれました。
異人館やモザイクガーデンなど、その時興味があったところを申し出ると快く連れて行ってくれました。
出典:神戸タクシー
記念写真まで撮っていただきすごくいい思い出になりました。
神戸に行く事は滅多にありませんが、おかげで神戸のドライバーさんは優しいと言うイメージがいまだにあります。
言葉が通じなくても心が通うロサンゼルスでの出来事
新婚旅行でアメリカに行った時、ロサンゼルスはあまり治安が良くないところも多いので、夜は特に気をつけるように言われていました。
メジャーリーグのジャイアンツ戦を観戦した帰り、タクシーを拾いました。
そのドライバーさんは日本語を話すことができたわけでは無いのですが、日本には行ったことがあるという話を私たちにしてくれました。
東京や京都、宮島にも言ったことがあるとおっしゃっていました。
我々が広島出身だと言うことを話すと、厳島神社は素晴らしかったと言う思い出などをたくさん聞かせてくれました。
当時私たちがはまっていたアメリカの学生ドラマの舞台となった高校に連れて行ってくれました。
校名が書いてある壁の前で記念写真を撮ってくださり、日本に帰ってきてから友達にたくさん自慢できました。
球場からホテルまでいくらぐらいかかるのかをガイドさんに事前に確認していましたが、かなり安くしてくれたのか、思ったほどお金がかからずに済みました。
多めのチップを渡して、感謝していることを片言の英語で話すと、ドライバーさんもとても嬉しい表情をしてくれ、異国の地で心が通い合う喜びに触れることができました。
抜け道に詳しい運転手さん
海外出張に行く日の朝、家を出るのが遅れてしまい、空港までの時間を考えるとかなり厳しい状況でした。
集合時間には間に合わない旨連絡を入れ、一便遅れて出発することを覚悟していました。
道路は案の定渋滞。
タクシーに乗ってすぐ予定のチケットの飛行機には間に合わないと諦めていました。
できるだけ早くと言う事だけドライバーさんにお伝えしたところ、地元の私でも知らないような抜け道を次から次へ選んで走ってくださり、何とか間に合わせてくれました。
おかげでみんなと一緒に出発することができ、ほっとすると同時に嬉しかったことを覚えています。
お釣りは結構ですとあの時ほど自然に言えた事はありません。
車酔い対策に詳しい運転手さんのアドバイス
幼い頃、休みの日に母親と姉と3人でよく出かけていました。
車で20分ほどのところでしたが、当時私は車に乗ることが憂鬱でした。
我ながら驚くほど車酔いしやすく、その20分の間でも気分が悪くなることが常でした。
ひどい時は家を出て曲がり角を2つ曲がった時点で車酔いをしていることがあったほどです。
遊びに出掛けに行くのは嬉しくても、車で行くのは嫌だという2つの感情が入り混じっていたのを思い出します。
母親は車の免許を持っていなかったので、出かけるときはいつもタクシーでした。
タクシーの独特な匂いや雰囲気がもうダメで、乗った途端に悪いイメージしか浮かびませんでした。
乗るたびに母親は、この子は乗り物酔いが激しいのでできるだけゆっくり行ってください、とドライバーさんにお願いするのですが、少々ゆっくり走る程度ではあまり効果がありませんでした。
ある日、出かけるときに同じように母親はドライバーさんにお願いをしました。
するとその時のドライバーさんは後部座席に座った私の方を振り返り、
おじちゃんに任せておけ、おじちゃんの車で車酔いをした人など1人もいないんだ。絶対に大丈夫。
と力強く宣言してくれ、運転席の背もたれを持って右カーブの時は体を右に、左に曲がる時は左に体重を寄せるように教えてくれました。
幼い私にとって、その宣言はとても心強いものでした。
そういうものなのだと信じきった私は、曲がり角やカーブのたびに、右に左に体を寄せて言われた通りに動きました。
ドライバーさんは、次は右カーブ、少し左に曲がるよなどと 一々話しかけてくださり、私は初めて目的地のデパートまで車酔いをせずに到着することができました。
その後車酔いをしなくなったわけではありませんが、おじちゃんに教えてもらった体を揺らすテクニックで、だいぶ酔わなくなりました。
自分が運転をするようになってからは、車酔いはなくなりました。
しかしそのきっかけを作ってくれたのは間違いなくあのドライバーさんです。
幼い私にとって、あのアドバイスは忘れることができない金言です。
今でも感謝しています。
最終更新日 2025年7月8日 by luizmon