よく聞くようになったエスコ事業
エスコ事業という言葉をニュースなどで一度は耳にしたことがあるでしょう。
しかし、具体的にどのような事業なのか分からない人がほとんどだと推察されます。
これはエネルギーに関する事業なので、エコという言葉と似ていることを手掛かりにして覚えれば良いかもしれません。
エスコシステムズなどのような省エネを企業の取り組みとして実施する事業を指します。
そう言われると、どこの企業も省エネに取り組んでいると反論する人もいるかもしれません。
たしかに、パソコンのディスプレイをこまめに切るといった取り組みを推進している企業は多く見られます。
しかし、このようなレベルの取り組みをしているだけではエスコ事業とは言えません。
省エネにまつわる総合的なサービスを行っていなければならないからです。
取引相手となる会社に、省エネ関連の投資を安く抑えるなどのメリットを与える事業でなければなりません。
エネルギー関連の経費をカットしたり、環境保護に貢献したりできることも同様のメリットと見なされます。
このような説明だけでは、まだ理解できないかもしれません。
身近なものに例えるなら、商業施設をイメージすると分かりやすいでしょう。
商業施設の経営者に向けて、省エネのサービスを提供する仕事だと考えると良いです。
具体的にはエネルギーの浪費をカットする仕組みを導入するための工事を行います。
ただし、工事を行うだけで終わらないことが重要なポイントといえます。
省エネの施策を実施したときの成果を保証する契約を結ぶのです。
エスコ事業を行う会社は商業施設の経営者に対して、その建物や関連する施設に関する省エネの判定を行うことになるでしょう。
さらに提供するサービスは、施工や判定だけでないことも重要な点です。
保守作業などもトータルで提供することからも分かるように、省エネのすべてに関係しているといっても過言ではありません。
これらの事柄を通じて得られた恩恵を報酬として受け取ることになると言い換えられます。
単純なエスコ事業の仕組み
事業の流れはそれほど複雑ではありません。
まず省エネのためのソリューションを提供することを提案します。
それを実際に提供した後に、効果があるのかを詳しく測定します。
それを取引相手に見せて、どれだけ省エネになったのかを説明するのです。
取引相手が受けた恩恵から一部を貰い受けることになります。
具体的な流れはエスコ事業によってさまざまですが、大まかな工程はこのように考えていればよいでしょう。
つまり本来は、取引相手と事業者の両方に大きなメリットがあるのです。
逆にいうと、省エネの効果が現れないのであれば、報酬を受け取れないというシビアな事業といえるでしょう。
まだ普及しているとは言い難く、これから発展していく分野です。
そのため不安視する人も多いと考えられますが、普及が進めば環境保全の大きな原動力になることを期待できます。
どれだけ進展するのかは、この事業に参入する会社の多さにかかっています。
写真/http://eco.eny.jp/4dcgi/ecozukanより引用
そのためには現在の制度の変更も視野に入れなければなりません。
現状では事業者が受け取れる報酬が少なすぎるという課題があるからです。
参入を促すだけのメリットがある金額とはいえません。
エスコ事業を提供する会社が、省エネのソリューションを提供することは簡単ではありません。
それにも関わらず、メリットが少ないことにはさまざまな解釈の仕方があります。
たとえばこれだけエネルギーの無駄遣いを禁止する動きがあるものの、実際には多くの人が関心を示していないという解釈もできるでしょう。
大した報酬を与えるに等しくないという意見も
そのようなエネルギーのカットを行うのは簡単なので、大した報酬を与えるには値しないという解釈もあります。
どの解釈もエネルギーに対する意識が高くない日本ならではの傾向といえるでしょう。
環境保護に対する意識が高い諸外国とは、まったく異なる発想をしていると考えられます。
逆に大きな期待をしすぎているケースもあるかもしれません。
一度にエネルギーの使用量が半分になるような進歩が見られることは稀です。
よほど無駄遣いをしていたのでれば可能性はあります。
しかしもとから省エネをしていたのであれば、そのような急激なカットは望めません。
1割や2割というのが現実的な数値といえるでしょう。
そのため期待外れに感じて、もう依頼しないでおこうと考える人もいるのです。
さらに政治的な観点における課題が残っています。
政府はさまざまな事業にかけるコストのカットに取り組んでいます。
以前はエネルギー関連の事業に補助金を出していましたが、それも撤廃されてしまいました。
実はこのエスコ事業もそのような縮小のあおりを受けた分野の一つです。
助成金が出ることが決まり、これから活性化していくと期待されていた矢先の出来事でした。
たった2年で終焉を迎えてしまったため、大きな発展を望めなくなってしまったのです。
ただしサービスを提供する会社の手腕によるところがおおきいので、このような状況であっても成功している事例は見受けられます。
PR情報
最終更新日 2025年7月8日 by luizmon